商品開発

クラフトおつまみ「Vori Fino」

Outline


商品カテゴリー不在の状況を乗り越え、商品と消費者をつなぐ


おせんべいやおかきを中心に米菓の製造・販売を行う喜多山製菓は、原材料である米の価格高騰を背景に、コーングリッツを用いた新商品としてトルティーヤチップス「KADO74(カドナシ)」を開発。新たなお土産需要や市場開拓を狙ったが、既存の販路では売上が低迷していました。課題は「美味しいけどどんな商品か分からない(説明できない)」という点にあり、ターゲットや食シーンのイメージも曖昧な状態でした。そこで本プロジェクトでは、商品そのものの価値や消費イメージを再定義し、消費者の中で明確に位置づけられる新たなブランドの構築に取り組みました。

Approach


「クラフトおつまみ」として商品のらしさを再定義

本質的な課題は、消費者の中で商品がどのカテゴリー(スナック?トルティーヤチップス?お煎餅?)にも属さず、購買理由が想起できないことにありました。そこで既存のスナックや米菓の枠を離れ、新たに「クラフトおつまみ」というカテゴリーを定義。お煎餅づくりの技術を活かした製法と、ご褒美としての嗜好性を掛け合わせた商品へと価値を再構築。ペルソナを「働く女性」に設定し、食シーンや感情に基づくストーリーを軸にブランドの方向性を定めました。

Process


社内対話と試作を重ね、生活者の実像に接近した半年間

プロジェクトは約半年にわたり、調査・分析からペルソナ設計、ネーミング開発、味の試作、パッケージデザインへと段階的に進行。経営者のみならず、営業部門、製造部門の担当者が一体となり議論を重ね、ときには女性社員の意見も柔軟に取り入れながら議論を重ねました。「クラフトおつまみ」という商品のカテゴライズと3種の味の試作に納得感が生まれたあたりからプロジェクトが一気に加速。デザイナーからの製品パッケージのビジュアル提案を通じて議論が活性化し、いつしか商品を口にする生活者(消費者)視点での対話も増えていきました。

この事業で取り組んだこと

  1. 製品の特徴の分析と市場理解、ペルソナの具体化
  2. 味のシリーズ展開、商品開発のサポート
  3. 製品のカテゴライズとネーミング開発
  4. 製品のパッケージデザイン、店頭POPのイメージの作成

Design

Concept & Naming

日常のちょっとしたご褒美感と五感で楽しむ体験を伝えるデザイン

ネーミングは「Vori Fino(ヴォリフィーノ)」に決定。「バリボリと食べる喜び=食感の楽しさ」を音で表現し、五感で味わう体験を訴求しました。誰かのために日々忙しく働く女性が、誰にも邪魔されない自分だけの特別な時間に食べる、ちょっとしたご褒美おつまみとしてデザインコンセプトを設計しています。

Package

パッケージはシンプルかつ高級感を意識し、味ごとに単色を用いた構成でデザイン。商品棚での視認性の強化を図りました。ブランド名・味・商品写真を一体的に配置することで、ペルソナがどんな商品なのかを直感的に理解できるデザインとしています。価格や内容量、販売シーンまで含めた体験設計により、価格価値に見合う商品としてビジュアルを整えていきました。

POP

Comment


デザイナーが介入し、従来とは異なるプロセスで商品開発を進める中、参加メンバー側も対話や試行錯誤そのものを楽しんでいるような雰囲気が印象的なプロジェクトでした。誰にどんな体験を届けるのか、生活者の感情を起点に考えることで、商品づくりの解像度が高まったと感じます。リブランディングは今の商品の否定ではなく、商品の特徴を丁寧に捉え直すことで新たな価値として更新できる、そんな可能性を実感できたプロジェクトでした。

支援メンバー
  • 市川 潤
  • 瀧脇 大典
  • 中山 裕介

Client

株式会社喜多山製菓

〒331-0045 埼玉県さいたま市西区内野本郷445-4

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