Outline
見えにくい価値を伝える挑戦
野菜の品種開発を生業とし、「未来の食卓を守る」という誇りある役割を担いながらも、一般の方からの認知が十分とは言えない――そんな課題感からプロジェクトがスタート。会社のウェブサイトはBtoBを強く意識した構成のため、事業の社会的意義や企業姿勢を違った形で発信していく必要がありました。何をブランディングの対象とするのかについて丁寧にヒアリングを重ねていった結果、製品や事業単体ではなく“会社”としての意志や魅力を発信できるリクルートページのリニューアルから着手することに決定。自社の存在意義を整理し、社会に向けて明確なメッセージを伝えることを目指しました。
Approach
価値の棚卸しから始めるブランド設計

本プロジェクトでは、社外発信だけでなく社内の共通認識づくりにも重点を置きました。創業100年以上の歴史と実績を持ちながら、媒体や場面ごとに語られ方が変わってしまう状況を課題と捉え、まずは企業姿勢を表すステートメントの整理から着手。価値の棚卸しを目的としたワークショップを実施し、組織全体で「自分たちは何者か」を再確認するプロセスを設計しました。
Process
社内対話で磨き上げたブランド
プロジェクト初期段階では、ステークスホルダーの洗い出しやレクチャーを通じてブランディングの重要性を共有。その後、複数のステートメント案を提示し、社内投票やコメント収集を重ねながら言葉を磨き上げていきました。部署ごとの視点の違いにより議論が広がりにくい場面もありましたが、他部署との対話を促す仕組みを導入し乗り越えました。
この事業で取り組んだこと
- ワークショップによる「らしさ」の抽出
- ブランドステートメントの言語化
- リクルート向けWebページの制作
Design
“当たり前”の裏側を伝えるデザイン
Concept

既存価値の再編集
ブランドステートメント『Seeding is Believing』は新たに創作したものではなく、すでに存在していた価値を整理し、再編集したものです。日々の食卓に並ぶ野菜は、長年の研究と技術の積み重ねによって生まれている。その背景にある挑戦や誇りを伝えることが、今回もっとも大切にした視点でした。
Recruiting site



リクルーティングページという発信拠点
企業理解の促進と採用のミスマッチ解消を図るため、アウトプットとして採用ページのリニューアルに着手。事業内容をわかりやすく整理し、「種苗」という仕事が社会にどのように貢献しているのかを可視化しました。サイト閲覧者が“専門的で難しそう”という印象ではなく、“社会を支える誇りある仕事”と感じられる構成・デザインを目指しました。
Comment
印象的だったのは、社長との会話で出てきたキーワードをそのままステートメントとして提案した際に、それが会社の姿勢をよく表している言葉として社内で「再発見」された瞬間です。対話を通じて部署間の理解が深まり、組織の視野が広がっていく様子も見られました。自分たちの仕事が、誰のどんな『当たり前』を支えているのか。その物語を丁寧に言葉にすることが、ブランディングの第一歩です。特に専門的な事業こそ、想いを発信することで『ここで働きたい』という共感の輪が広がります。自分たちの価値を再発見するワクワクしたプロセスこそが、未来の仲間を惹きつける一番の力になると実感しました。
支援メンバー
- 大沼 勇樹
- 長井 康行
- 吉岡 健太郎
Client
トキタ種苗株式会社
〒337-8532 埼玉県さいたま市見沼区中川1069