Outline
コンセプト設計ときくらげ加工品の商品開発
さいたま市南区にあるタクシー会社「日栄交通」は、コロナ禍でタクシー需要が激減する中、事業を再編するべくきくらげの栽培を開始。自社で作るきくらげを「あの日のはごたえ」と命名し国産の生きくらげ、乾燥きくらげとしてスーパーや学校給食などに出荷。この事業を大きな柱へと成長させるべく支援の依頼があった。当事業では、きくらげブランド全体のコンセプト設計と新たに発売する加工品の商品化を支援しました。
Approach
きくらげ事業にかける想いを引き出す
最初の取り組みとして、ブランディングの基礎となるビジョンを可視化し、目指す方向を共有にするために事業のキーパーソンである清水専務とタクシー事業のこと、きくらげ事業開始の経緯、「あの日のはごたえ」と命名の由来、今後の目標などについてヒアリングや意見交換を行いました。
Process
事業全体のコンセプトを策定、新商品とも連動させていく。
きくらげ事業の目的や想いをユーザーに伝える為の基礎となる事業コンセプトを策定。数回の打ち合わせの中で提案とブラッシュアップを繰り返し精度を高めていきました。その後、加工品シリーズのネーミングやロゴのデザイン、パッケージの形状選定、ラベルデザインに落とし込んでいきました。
この事業で取り組んだこと
- きくらげブランド全体のコンセプトの策定
- 加工品のネーミング決定、試作品の試食
- 加工品シリーズのロゴ制作
- パッケージ形状の選定、パッケージラベルデザイン
Design
Concept
タクシーもきくらげも想いは同じだった
コンセプトを決めるにあたり、一見のなんの関係もないと感じるタクシーときくらげですが、考え方や成し得たいことの共通点がないかを探っていきました。対話の中で「タクシーは人の人生にそっと寄り添う存在。」「あの日のはごたえ」というネーミングは食を通じて誰かの人生の思い出になってくれたらという「人に寄り添う」という共通の理念があり、それを表現するコンセプトを策定しました。
Visual
「あの日」から「いつも」へ。3種類の味を「昨日」「今日」「明日」で表現。
新商品は「あの日」から「いつも」の日常として食べてもらいたいとの想いから「いつものはごたえ」シリーズと命名。3種類の味を「昨日」「今日」「明日」で表現することで決まり、シンボルマークをデザインしました。
「日栄交通らしさ」を前面に押し出し、食品会社とは異なる世界観を構築
ユーザーとのコミュニケーションツールとしてポスター、パッケージを制作。コンセプトにもあるようにタクシー会社が手がける食品であることをユーザーに伝える必要があると感じ、パッケージにはタクシーのモチーフ、ポスターのコピーも「配車」というタクシー業界ならではのキーワードを使いました。一般的な食品会社とは全く異なる展開で世界観を構築しつつ遊び心も忘れない「日栄交通らしさ」を感じてもらえるようビジュアルを展開していきました。
Comment
真面目なタクシーのイメージを覆す、面白さや楽しさを歓迎するユニークな社風の会社でした。コロナ禍での挽回を目指し真面目に考えて始めた事業だけれど、今の状況も受け入れて楽しみながら進んでいる。そんな空気感なども伝えられればと試行錯誤しながらの支援でした。
支援メンバー
- 瀧脇 大典
- 中山 裕介
Client
日栄交通株式会社
〒331-0821 埼玉県さいたま市北区別所町1125-6