Outline
BtoB依存からの脱却を目指した事業転換の挑戦
北海道 浜中町(釧路と根室の中間あたり)産昆布を扱う都平昆布海藻は、海藻・海産物の製造加工に強みを持ち、主に業務用問屋や商社を通して昆布を販売。しかし、海水温上昇による昆布収穫量の減少や、流通の低利益構造もあり、業界や会社の未来に不安を抱えていました。直販を見据えたBtoC事業の展開を模索するなか、これまでも商品開発を行っていたが、消費者視点の不足により十分な成果には至っていなかった。本プロジェクトでは、昆布の価値を改めて見つめ直し、「誰に・何を・なぜ届けるのか」を整理しながら、未来に向けた新たな事業の軸づくりに踏み込んでいきました。
Approach
昆布へのこだわりを言語化し、おいしさの体験価値をつくる
販路構築の課題について打ち合わせを重ねるなかで、課題は必ずしもそこだけではなく、ブレない価値の伝え方にもあると感じました。会社の強みであるはずの昆布へのこだわりが、消費者にとっての魅力として十分に伝わっていない状況だったため、事業ブランドを「昆布を売る会社」から「昆布を語る存在」へと再定義。無添加・やさしさ・手仕事といった価値観を軸に、子育て世代が日常的に使いやすい商品開発を目指しました。その結果、“おにぎり”という身近な食べものとその食シーンに再注目し、新たな切り口でのブランドの構築を進めました。
Process
溢れる思いを整理し、進みながらカタチをつくっていく
約半年間にわたり、現状整理から商品検討、コンセプト設計、商品試作、パッケージデザインまでを二人三脚でサポート。オンラインホワイトボードを活用し、経営者の課題感や想いを可視化・言語化していきました。さまざまなアイデアがあるなかで、「ペルソナにちゃんと届くか」「できるだけ早期に実現できるか」を基準に絞り込みを行い、「おにぎり用塩昆布」の開発に方向性を定めました。丁寧に時間をかけてさまざまな方向性を吟味したことで、会社として一つの意思決定に至ることができました。

この事業で取り組んだこと
- 事業のブランドコンセプト作成、ブランドロゴのデザイン
- 製品のネーミング開発、ロゴデザイン
- デザインマニュアルの作成
- 味の展開等の試作品製品の企画サポート
- 製品のパッケージデザイン、展開イメージの作成
Design
Business Concept & Logo
「’m KOMBU(アイムコンブ)」
BtoCブランドの核として「m’ KOMBU(アイムコンブ)」を策定。「私は昆布です」という言葉から作り手の姿勢を人格として表現しました。ロゴは「m」の文字を昆布が揺れ動く姿に見立てたデザインとなっており、あふれだす昆布への愛情や健康へのこだわりを自ら語りだすブランドとして、今後の商品企画に一貫性をもたらすコンセプトとなっています。

Naming & Logo
おにぎり用塩昆布『 いちごうみっつ 』

商品名は「いちごうみっつ」とし、1合で3つ分のおにぎりが作れる分かりやすさを付加価値としました。「昆布でむすぶおいしいうまみ」を商品コンセプトに5種の味展開を計画。おにぎりの定番「梅しそこんぶ」や「おかかコンブ」から、こどもが大好きな味の「オニオンコンソメ」や「和出汁カレーこんぶ」、思わず食べてみたくなる「海わかさぎニンニクまぶしコンブ」まで、こだわりと遊び心あふれるネーミングを考案しました。
Package

パッケージはおにぎりのイラストを大きく配置し、「おにぎりに使う」という用途を直感的に伝達するデザインを採用。中間色を用いた柔らかなトーンでターゲットに寄り添いながら、イラストを併用してそれぞれの味をイメージできるデザインに。内容量や価格も含め、お弁当などの「日常使い」がしやすい製品として企画しています。
POP

Comment
ブランディングに取り組みたい企業にとって、最初に直面する壁は「時間がかかる」という現実です。経営者であれば少しでも早い成果を求めるのは当然であるものの、ブランド構築に早道はありません。その意味で、本プロジェクトは、社長自らがその事実を受け入れ、従業員の意見にも耳を傾けながら、我慢強く形をつくっていった姿が印象的でした。さまざまなアイデアを実現していくためにも、ブランドとして一貫性を持った商品づくりを行う重要性が共有され、今回の取り組みが今後の展開に向けた新たな挑戦の土台になっていくことを期待しています。
支援メンバー
- 市川 潤
- 瀧脇 大典
- 長井 康行
Client
株式会社都平昆布海藻
〒338-0835 埼玉県さいたま市桜区道場2-13-32(浦和工場)








